当院のオールセラミック冠について

1) e.max(イーマックス)

 (1) e.maxの性能と材質

e.max クラウンe.max(イーマックス)プレス等の、高強度セラミックスを使用しています。
e・maxによる冠は、とても美しく、曲げ強度が強く割れにくいという、申し分ない性能なのです。
過去のオールセラミック修復の、歯への適合性の絶望的な悪さに苦労させられた者にとっては、e.maxの多少の調整など苦になりません。工夫すれば、今までとは比べ物にならないほど、良好な適合性で、歯にぴったりと合わすことができるという事を、本当に喜んでいます。
材質は、二ケイ酸リチウムガラスセラミックスだそうです。

(2) 製造元

イボクラール・ビバデント社製。本社はリヒテンシュタイン。
この会社は、一般には知名度は皆無の歯科材料メーカーですが、約20年前にエンプレスというセラミック材料を発売し、世界的に成功した企業です。

(3) e.maxプレスは強い

イーマックス インレーこれはインレーという、歯の詰め物ですが、e.maxのインレーは割れる心配がない位強いのです。昔のオールセラミックインレーは割れるので、使い物になりませんでした。
当院で採用のe.maxプレスは、従来のメタルボンドと呼ばれていたセラミック材に比べると、曲げ強度が4倍も強くなっています。壊れにくく耐久性に問題がないという事で、歯科医のストレスが激減したのです。将来、割れるのではないか?という心配がほとんどないのです。私にとって、この点が特にありがたいのです。

(4) より良い治療になります

当院では、e.maxを使うと治療のグレードが、グンとアップしました。冠が割れる心配がないため、治療ストレスが激減し、歯科医本来の治療に、より注意を払うことができるからです。冠を歯にぴったり合わせ虫歯を防ぐという様々な工夫、プラーク(菌)が付きにくい様に冠の表面を仕上げる、その方に合わせた噛み合わせに調整する等を行います。
そのため、さらに長持ちするオールセラミック冠を作る事ができる様になるのです。良い事ばかりです。

(5) 当院のe.maxは、歯にピッタリ合います

イーマックス インレーをセットした写真当院で作ったe.maxのインレーです。歯にピッタリ合っているため、どこがインレーがわからない位です。
特にオールセラミッククラウン(冠)の場合は、歯に合わせると、「よかったー!」と毎回思うのです。なぜそんなに感激するかというと、冠が、調整しなくても歯にぴったり合うようになったからです。冠(クラウン)などは、冠の縁を鋭利な針先でなぞっても、歯と冠の間に隙間がないのです。歯に冠がぴったり合う事。これは、将来の虫歯の再発を防ぐ、最低限の条件です。これを確実にクリアーできるのですから、こんなうれしい事はありませんよね!

(6) 過去のオールセラミック修復

金属冠の写真今までのオールセラミックの冠(クラウン)や詰め物(インレー)は、たとえe.maxですら、歯にぴったり合わず、必ずわずかな隙間がありました。特にインレーという詰め物は、適合が非常に悪い難物だったからです。セラミックの治療というと、気が重たくなる位だったのです。よほど工夫しなければうまくいかない。うまくいかなければ、ご○か○しかなかっただろうと言うのが、過去のオールセラミック修復。当院ではとても採用できませんでした。これが正直な感想です。
しかし、適合がよいといっても、金属修復を多用すると、お口の中が金属だらけでギラギラになってしまいます。
今度はこの事にやりきれなくなりました。何とか白い歯で治してあげられないものか・・・。
そこに、セレックの性能が向上してきたり、e.maxプレスが登場するのです。歯科医として、「時代がよかった」と感謝しています。

(7) すべての工程を見直しました。

オールセラミックに取り組むと、すべての治療工程を見直さざるを得ませんでした。金属修復の旧態然とした治療方法では、オールセラミック治療は無理でした。

ダイヤモンドポイントの写真 
ダイヤモンドポイントの写真例えば、歯を削るダイヤモンドポイント(写真)という工具があります。この形や表面粗さ、窩洞と呼ばれる歯の穴の形、歯の削り方、表面の仕上げ方、仮の歯、歯の型、模型などの作り方や材料、技工士との作り方の標準化など。セット時の防湿、調整、装着方法や材料などについても、すべての見直しが必要だったのです。全部を改良して、やっと満足できるレベルになりました。その大変だった事。
これがノウハウというものなんだなーとつくづく思います。材料や物が重要なのではない。どう工夫するかという、目に見えないノウハウが一番大切だという事でした。
各社から発売されている、同じような材料でも、メーカーによって性質が大きく違う事がわかりました。ある材料を使えばうまくいくという、単純なものではありませんでした。
どんな観点で選択するか、その材料をどうやって使うかなのです。カタログや成書を見ても記載がない事の積み重ねです。サイトに記載以外の細かなノウハウが沢山ありますが、公開はできません。

(8) そうは言っても、e.maxプレスは難しかった

e.maxプレスは、とても繊細は材料です。鋳物を作るロストワックス法という方法で作るのです。(ロストワックス法については、ご検索下さい)。ロストワックス法には、鋳型を作る工程があります。この際、冠や詰め物のタイプにより、鋳型材(埋没材と言います)と水の細かな指定がされています。細かな調整を必要とするという事は、逆に言うと、雑にすると歯にぴったりと合わない、難しい材料だという事なのです。
e.maxの写真それもそのはずです。セラミックは、1000度近い温度で飴状に溶かした状態で鋳型に圧入され、それが室温まで冷えます。1000度近く冷却される間に、セラミックは縮みます。それを見越して、あらかじめ少し大きく作ったりするのです。萩焼の湯飲み等、表面が微細にひび割れているのを見ると、その扱いの難しさがわかるというものです。この工程は、歯科技工所(歯の工場)が担当しています。
ですが、トータルの製作工程は、歯科医院での治療で、すでに始まっています。ですから、当院でも、e.maxが歯にぴったりと適合するよう、常に様々な工夫をせざるを得ませんでした。でないと、歯にぴったり合わないのです。
こういう工夫が大事なのです。当院はe.maxという物を売っているのではございません。

(9) 医院の選択は、よくご検討下さい。

e.maxは、多くの審美歯科分野のホームページで紹介されています。どの医院も真剣に取り組んでおられると期待します。
しかし、治療とは、e.maxという「物」ではなく、上記の様に目に見えないノウハウなのです。真剣に工夫すれば、その意気込み、苦労など、サイトの記述ににじみ出てくると思います。そんな医院をご選択下さい。でないとe.maxという「すばらしい素材」と、「まあまあな治療」という事になりかねないと思います。ですから、どこの医院でもいいからe.maxで冠を作ればいいのではない、という事がお分かりになると思います。医院の選択は、よくご検討下さい。

(10) 参考資料

曲げ強度(MPa)

e.max プレス 400
従来型セラミック冠 150 
従来型のセラミックに比べて、倍以上の強度があります。
(1 Pa (パスカル) = 1N/m2)

工業材料の曲げ強度(MPa)

アルミナ 130
アルミ(Al-Mg系) 195
ステンレス(Fe-Cr-Ni) 250
鉄(一般圧延材) 約300
カーボン樹脂 752

主にエポキシ樹脂を炭素繊維により強化したもの

 (各種アルミナAL2O3の製造加工販売メーカーアスザック(株)から一部引用させて頂きました)

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