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歯科的医療面接における、心理的距離と身体的応答、相互作用。

クライアントとの歯科的医療面接において、進行につれ身体的応答が生じるのは当然として、相互作用も生じている場合がある事を、しばしば体験する。
クライアントとの心理的距離は、近くなったり、距離を感じたり、さまざまであるが、話す内容、場面において、適正な距離というものが存在するし、お互いのその時の相互関係により、自然な距離に調整されていく。
その距離におうじて、そして、セッションの進行に応じて、心理的側面だけでなく、クライアントの身体に、様々な身体的変化が生じていく事も、同時に観察する事ができる。これは、歯科的医療面談における心理サポートの結果としての身体的応答は当然として、面談者との相互作用も生じているのではないかと思わされることが多い。
それは、視覚的に判断できる表情筋の緊張具合から、手の動き、姿勢の変化など簡単に知覚する事の出来るものもあるし、また、クライアント自身で確かめられる手指の温感、顕微鏡を使って観察する赤血球の状態にまで、及ぶのではないかと思う事もある。
2面性という観点からいえば、すべての物事は表裏一体で、面談者と面接者という2者が相互作用を及ぼし合うという面もあるし、結果としての良い面、良くない面というとらえ方もある。歯科的医療面談における身体的応答においても同じ事を感じており、クライアントサイドの要因も大きいであろうし、また、面接者からの影響も大きいと感じる。
結果としての身体的相互作用に関しては、クライアントの素の状態をつぶさに把握したい場合には、相互作用は過度に良い方向に判定させるであろうし、心理的距離を測りたい時、セッションの効果の判定などを得たいときには、良いのかもしれない。
また、これから続いていくクライアントとの関係において、クライアント自身の体験として、驚きをもって身体的変化が自覚できることは、良好なスタートを切れたという面では有益であろうが、相互関係の中から生まれてくるものであるなら、面談中に生じる身体感覚の変化に過度に注目する事は、クライアントに面談者に対する過度な依存を生じさせるかもしれない。
いずれにしても、現在の自分にとっての気づきとしての身体的応答と相互作用は、貴重な体験、一つの過程でもあり、歯科的医療面談による心理的支援をしていく中で、当たり前と言えば当たり前でもある。この観点が、クライアントのより良い人生につながるよう、少しでも有用であって欲しいと思う。

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